マーケティング施策ROIの検証の支援とデータ分析組織のアドバイザリー

概要

クライアントでは、従来のキャンペーン効果測定手法では単独評価や比較が困難であり、対象商品以外の売上影響も不明確という課題がありました。本プロジェクトでは、これらの課題を解決するため、天候や曜日などの外的要因を考慮した売上予測モデルに基づくROI検証手法を導入し、おむすびキャンペーンを対象に効果を定量化しました。さらに、この手法を自社内で継続的に実行できるよう、実践を通じたデータサイエンティストの育成を目的として支援を実施しました。

課題

プロジェクト開始時、クライアント企業では以下の課題を抱えていました。

  • キャンペーン効果の不透明さ:
    CP単独評価やCP同士の比較、対象商品以外の売上影響を正確に把握できるROI検証手法が未確立だった
  • データ分析組織の強化:
    確立したROI検証手法を自社内で実行できる、統計・機械学習の専門知識を持つデータサイエンティストの育成が必要だった
  • 検証の網羅性と速度:
    現在は精度維持のために対象商品や店舗を制限しており、制限を解除した網羅的な予測と、特殊な要素(台風など)を考慮した算出、および算出時間の短縮が今後の課題だった

解決策

おむすびキャンペーンを対象に、ROI検証手法の導入とデータサイエンティスト育成を12ヶ月の期間で実施しました。

データ分析と環境要因の特定

中食商品の分類間相関、および天候、曜日、祝日などの環境要因が売上に与える影響を分析しました。また、データサイエンティスト育成のため、対象者に実データを用いた分析を実践してもらいました。

ROI検証モデルの構築

売上傾向の近い店舗を精査し、競合他社のキャンペーン影響がないかを確認することで、分析対象を単純化しました。分析データに基づき、降水量、曜日、季節、気温の影響を数値化し、キャンペーン未実施時の売上予測値(精度95〜98%)を算出し、実績との差からROIを導出しました。

将来的な課題とアドバイザリー

本検証手法について、台風などの特殊な状況下での算出対応、精度を維持した上での対象商品・店舗の網羅性拡張、および処理速度の向上が今後の課題として明確になりました。売上データ分析に基づくROI検証手法の作成と提示、およびデータサイエンティストの育成を通じて、自社で検証可能な技術を持った組織の実現をご支援しました。

成果

  • 精度の高いキャンペーンROI評価手法の確立:
    天候、曜日、季節などの外的要因を考慮した売上予測モデルに基づき、キャンペーンを実施しなかった場合の売上との差分でROIを算出
  • データサイエンティストの育成:
    統計・機械学習の専門知識を持った人材に対し、データ分析を通じたCP効果検証の自社実施ノウハウを習得
  • 検証モデルの高い信頼性:
    キャンペーン未実施の月で売上予測値と実際の売上が95~98%の精度で一致することを検証

ファッションビルにおける買上率・買回率の向上施策

実店舗を構えるファッションビル事業において、デジタルデータをいかにリアルな来店体験や購買行動に結びつけるかは極めて重要なテーマだと考えています。本プロジェクトでは、データ活用のあるべき姿を整理するとともに、アプリプッシュ通知を用いたプロモーションのPoCを通じて、データ利活用の有効性を組織全体に証明する取り組みを行いました。

課題:施策への確信不足と組織的な壁

プロジェクト開始時、クライアント企業では以下の課題を抱えていました。

  • 改善余地の不透明さ:買上率や買回率(施設内の複数店舗での購買)を向上させる具体的なデータ根拠が不足していた
  • 外部要因の影響把握:天候と購買量に相関があるという仮説はあったものの、確信が持てず具体的な施策に踏み切れていなかった
  • ステークホルダーへの説得材料:テナント各社や社内関連部門に対し、データ活用の必要性を納得させるための「短期間で目に見える成果」が求められていた

解決策:

基礎分析からプロモーションの実行、効果検証までを4ヶ月のサイクルで実施しました。

① 顧客分析と需要予測

RFM分析やアソシエーションルール(相関分析)を用いて顧客をセグメンテーション。さらに天候と購買量の分析から需要予測モデルを構築しました。これにより、「どのタイミングで、どのユーザーに通知を送るべきか」の判断基準を明確化しました。

② プロモーションPoCの実行

実店舗および起点のテナントを選定し、アプリのプッシュ通知を用いた2段階の施策を実施しました。

  • 買上率向上施策:来店1店舗目でのクーポン配布
  • 買回率向上施策:1店舗目での購買に基づき、相関の高い2店舗目をレコメンド

③ 統計検定による効果検証

施策の有効性を曖昧にせず、セグメンテーションの有無やプロモーションの有無ごとにユーザーを4グループに分類。統計検定を用いることで、施策が個別に、かつ統計的に有意な効果があったかを厳密に検証しました。

成果

  • アプリ運用の最適化:天候や買回相関を加味したアルゴリズムに基づき、アプリ通知を適切に配信する運用体制を確立
  • データ利活用の機運醸成:デジタル推進部門として、テナント各社に対しデータ活用の有効性をエビデンスを持って示すことができ、組織内でのDX推進を加速
  • 最小限のツールでの実現:既存の分析ツールや最小限の外部ツール導入の中で仕組みを構築し、コストを抑えた成果創出を実現
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