中古車市場における販売価格の要因分析
概要
自動車業界において、新車販売戦略や残価設定ローンの精度向上には、中古車市場の動向把握が不可欠です。しかし、中古車価格は多様な要因が絡み合い、その構造的な解明は極めて困難でした。そこで本プロジェクトでは、全メーカーを網羅的に俯瞰するマクロレベルと、メーカー個別を深掘りするミクロレベルの二層を投影した市場データ分析モデルを、日本・北米を対象に構築しました。
課題
自動車業界ならではのこんな課題を抱えていらっしゃいました。
価格変動要因の構造的理解の難解さ
中古車価格は多様な要因が絡み合うため、その構造的理解は極めて困難でした。
様々な要因の中古車市場の需給バランスへの影響力の理解の不足
新車販売台数や価格推移は中古車市場の需給バランスに影響を与えるとされていますが、それらの与える影響の大きさは定量的に把握できていませんでした。
解決策
以下のように段階的なアプローチを採用してデータ分析とコンサルティングを実施しました。
仮説立案と構造定義
中古車流通構造をマクロ的に可視化し、新車販売台数・価格推移と中古車市場規模および需給バランスの関係性を整理しました。
多角的なデータ分析
全メーカーを網羅したマクロレベルの市場分析を行ったうえで、特定メーカーに焦点を当てたドリルダウン(深掘り)分析を実施しました。
高度な統計モデルの適用
共分散構造解析(SEM)を活用し、複数の要因が中古車価格に与える影響を因果モデルとして構築することで、市場構造の理解の深化を目指しました。
成果
中古車市場の構造的理解
本プロジェクトにより、中古車市場の構造的理解が進み、残価設定ローンの予測精度向上につながりました。さらに新車販売戦略や価格設定の最適化や中古車流通在庫の適正管理に貢献しました。
大手自動車業界様における、コネクトデータを用いたユーザー行動の分析と車両開発目標設定プロジェクト
概要
競合車比較を中心に性能目標を設定した従来の車両開発では、しばしばユーザー・開発にとって過剰な性能の開発に繋がっていることがありました。そこで本プロジェクトではコネクトデータを活用し、ユーザーの使用状況や求めているものの「実際」を定量化しました。それに基づいた開発により、過剰性能によるコストを抑制しつつ、不足している性能を確実にリカバリーした市場適合性の高いモデルの性能目標の策定を目指しました。
課題
ユーザー実態と開発目標の乖離
開発において、特定の走行シーンにおいてユーザーがストレスを感じる設定が存在している可能性があることを仮定しています。しかしながら、ユーザーがどの程度の頻度でどのような性能を必要としているのか十分に把握できていないまま開発目標が設定されるために、実態以上に高い目標設定となり、不必要なコストや重量増を招いていました。
解決策
本プロジェクトはお客様と弊社で分業し、適切な目標設定に必要な情報を集めました。
お客様:課題理解と解釈
- 分析したい走行シーン(ユースケース)の定義
- 分析結果に基づく性能目標値の最終決定
グラフ:データ分析
- コネクトデータからのユーザー行動の抽出
- サンプリング周期の同期処理
- 特定道路環境でのフィルタリング・分析
- 複数テーマを並行して継続的に分析
成果
実データに基づく意思決定を取り入れることで、より合理的な性能目標の設定が可能となりました。
商品競争力の最大化
ユーザーの「実使い勝手」を反映した車両開発により、使用品の魅力と競争力の向上につながりました。
収益性の改善
過剰な性能の開発を目指していたことによるコストを削減できるようになりました。
開発プロセスの高度化
過剰性能によるコストを抑制しつつ、不足している性能を確実にリカバリーした市場適合性の高いモデルの性能が目標として設定できるようになりました。